ユーロ/円相場は、128円を挟んでの保ち合い相場を経て、足元では再び130円の節目を挟んでの攻防となっている。欧州中央銀行(ECB)が改めて金融緩和政策に舵を切るも、それに伴うユーロ売りよりも円売り圧力が強くなっていることで、ユーロ買い・円売り優勢の展開になっている。4月22日以来の高値を更新している。
5月2日にはECB理事会が開催されたが、0.25%の利下げが決定された。ユーロ圏経済は今年下期に安定するとの楽観的な見方が示されているが、インフレ圧力が安定していることもあり、政策対応に踏み切る余地があると判断した模様だ。また、6日にはドラギ相殺が「今後数週間以内に発表されるユーロ圏の経済統計と注視し、必要であれば再び行動する用意がある」として、更に追加利下げに踏み切る可能性もあることを明示している。こうした流れは、ここ数ヶ月のユーロ圏指標が悪化していたことで想定されていたものであり、特に意外感はない。ただ、日欧がともに緩和スタンスに傾斜する中、日銀の強力な緩和政策を背景とした円売り圧力は鈍化せざるを得ない。
もっとも、再び対ドルで円売り圧力が強まる中、ユーロ/円相場も堅調に推移しよう。ここにきて米金利上昇圧力が強まる中、日米金利環境の変化がドル高・円安を促している。1ドル=100円の節目に今年3回目のトライとなる中、ユーロ/円相場のみが安値圏に放置され続ける理由は見当たらない。ユーロ/円相場も130円水準での抵抗に今年3回目のトライとなるが、同水準はブレイクする方向でみておきたい。
今後1週間の予想レンジは、128.50~131.50円。